海の温暖化、消える漁場、サンゴの死
ENERGY 2018.11.09

海の温暖化、消える漁場、サンゴの死

こんにちは エネルギーチームです。

先日、ハワイの世界遺産の島がハリケーンで消滅してしまった、という驚きのニュースがありました。豊かな生態系を育む海洋保護区の中で、希少な生物の生息地だったこの島。専門家は、近年海面水位が上昇を続けていることから、水没した状態が続くとみているそうです[1]。

10月に発表されたIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の1.5℃特別報告書によると、温暖化が海に与える影響も計り知れません。

海の温暖化、消える漁場、サンゴの死

© Greenpeace / Marissa Floirendo

IPCC1.5℃特別報告書が警告していること

いま、地球の平均気温は、産業革命前と比べてすでに1℃高くなっていますが、IPCC1.5℃特別報告書のは次のように警告しています

すでに、海洋生態系には大きな異変が起こっている。

影響の規模は1.5℃を超えると決定的に深刻度が増すと推測される。

早ければ2030年にも1.5℃を超える可能性がある。

たとえば水温が上がることで、プランクトンや魚が今までより寒い場所へ移動して、それまでの生態系が変わってしまう。また、サンゴなど移動がむずかしい生きものは、温度変化に耐えられずに死んだり激減してしまったりする可能性が高いとみられる。

温かい海にすむサンゴは、1.5℃の地球温暖化によって現在より70~90%が失われてしまう可能性が高く、2℃の温暖化では99%以上が死滅してしまう可能性が非常に高い。

2016年の夏には、日本でも奄美〜八重山諸島にかけての海で、高温が原因でサンゴの大規模な白化が起こっています[2]。気候変動の影響はもう、いつか、どこか遠くで起こること、ではないのです。

海の温暖化、消える漁場、サンゴの死

© Greenpeace / Paul Hilton モルディブのアッドゥ環礁 高温により白化したサンゴ 
高温になるとサンゴと共生する藻が離脱して白くなる 水温がもとの温度まで下がらなければサンゴは再生できず、やがて死んでしまう

酸性化する海

大気中のCO2濃度が高くなってくると、海に吸収されるCO2が増えて、海水は少しずつ酸性になっていきます。

海が酸性化すると、サンゴや貝などの生きものは、骨格や殻がつくりにくくなってしまいます。現在の酸性化の度合いでもすでにサンゴのいく種かの成長に影響が出始めています[3]。

IPCC報告書は下記の通り

1.5℃温暖化することで、影響が増幅し、2℃ではさらに悪化すると予測しており、発育、成長やカルシウムの吸収、ひいては生存に悪影響をあたえ、海藻から魚まで多くの種類の豊かさに悪影響を与える可能性が高い。
海の温暖化、消える漁場、サンゴの死

© Greenpeace / Paul Hilton
ソロモン諸島ニュージョージア島の世界最大の海水ラグーン サンゴ礁に囲まれ多様な生きもが豊かな生態系を織り上げている 

残された時間は短い

この他にも同報告書は、下記のことを指摘しています。

北極圏では、海を覆う氷が夏に全くなくなってしまうリスクが、1.5℃なら100 年に1 度に抑えられる可能性があるものの、2℃の場合の10 年に1 度となる恐れがある。

約1.5~2℃上昇の場合、グリーンランドと南極の気候が不安定になる可能性があり、取り返しのつかない氷の融解と何メートルもの海面上昇が引き起こされる可能性がある。

海洋漁場における世界の年間漁獲高の減少は、1.5℃の場合、2℃の場合の半分で済む。

そして、今後数年間に世界が十分な対策をとれるかどうかが鍵をにぎる、としています。

詳しくは、環境省による部分訳の他、10月IPCCの会議に出席していたグリーンピースの専門家が、IPCCの1.5℃の地球温暖化報告書の重要な部分をまとめたブリーフィングペーパー(日本語訳あり)でご覧になれます[4]。

海の温暖化、消える漁場、サンゴの死

© Daniel Beltrá / Greenpeace

CO2をほぼゼロにするために、いま始められること

今回のIPCC報告書によれば、世界の平均気温を産業革命前と比べて+1.5℃までに抑えて、このような気候リスクを避けるためには、2050年までに石炭火力発電をほぼゼロにしなければなりません。つまり、いまから新たな石炭火力発電所を建てる余地はもうないのです。

しかしいま、日本には現在35基もの石炭火力発電所の新設計画があります。

東京湾に面する千葉県袖ケ浦市にもいま、国内最大級の石炭火力発電所の建設が計画されています。計画しているのは、出光興産(株)、九州電力(株)、東京ガス(株)の3社です。

その一つ、東京ガスにはすでに地元の市民をはじめ全国から「建設をやめてください」という1400を超える声が届いています。東京ガスの内田高史社長は「立ち止まって考えなければならない」と、見直しの可能性を示唆し始めています[5]。

地球環境のために残された時間はわずかしかありません。

あともうひと押し、この石炭火力発電の計画を止めるよう、あなたの声を届けてください。

 

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[注]

1.ハワイの世界遺産の島、ハリケーンで消滅 過去には台風で壊滅した島もYahoo ニュース 2018.10.28

2. 環境省サンゴ大規模白化緊急対策会議 『サンゴの大規模白化現象に関する緊急宣言 2017 年4月 23 日

3.グリーンピース・インターナショナル“今が最後のチャンス”IPCC 特別報告書『1.5℃の地球温暖化』の主な論点 2018年10月8日(日本語版2018年10月31日)

4.地球環境研究センター 解説「海から貝が消える? 海洋酸性化の危機」

5.週刊『エネルギーと環境』No.2491  2018年8月19日

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ライター エネルギーチーム

エネルギーチーム

自然エネルギー、石炭火力発電、原発再稼働問題、福島放射能調査など科学的根拠に基づいて活動を続けています。エネルギーについてのページはこちら> http://www.enerevo.jp/

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