東京湾にも石炭火力発電所の影
ENERGY 2018.02.20

東京湾にも石炭火力発電所の影

みなさんは、世界中が自然エネルギーへ転換しているなか、日本は逆の方向へ進んでいること、知っていましたか? その理由は、石炭火力発電所の新規建設計画が40基以上もあるからです。

横須賀に石炭火力発電所2基

石炭火力発電所建設予定地(現在の様子)出典:事業者説明会資料より

この計画は、東京電力フュエルパワー(株)と中部電力(株)が合同出資してつくった株式会社JERAによって進められています。横須賀市久里浜(東京湾沿岸エリア)にもともとあった石油火力発電所をとりこわし、新たに石炭火力発電所2基建設する計画です。

気候変動、PM2.5、水銀・・・それでもまだ石炭なの?

1. 気候変動を加速させる石炭

世界気象機関(World Meteorological Organization)によると、2017年は記録史上3番目に気温が高い1年となりました*1。気温上昇によって、氷が溶けることで、海面の水位があがります。その影響から頻繁に洪水が起きたり、干ばつ被害が深刻になる、ホッキョクグマのすみかがなくなるなど、気候変動はすでに起きている問題です。

大潮がおきると洪水が起きるキリバス諸島、2005年 
 

2. 大気汚染を悪化させる石炭

石炭火力発電所からは、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、PM2.5といった大気汚染物質が排出されます。ほんの小さな粒子となったすすなどの煤塵(ばいじん)は汚染物質を除去する装置をすり抜けて大気へ放出されてしまいます。

大気中に浮遊していたすすによって黒くなった135年前の鳥(左)の写真、2017年
出典:https://www.washingtonpost.com/news/speaking-of-science/wp/2017/10/09/soot-caught-in-bird-feathers-shows-how-catastrophic-air-pollution-can-be/
 

3. 水銀を排出する石炭

2017年に、水銀が排出されないための国際ルールを定めた「水俣条約」が熊本県水俣市で採択されました*2。この条約には、石炭火力発電所から排出される水銀も規制対象として含まれています。水俣病の歴史をもつ日本で、新たな形で水銀を空気中に排出するなんて怖いことだと思いませんか?

地元住民は黙っていません

「もうすぐ孫が生まれるが、石炭発電所からは有害な水銀や汚染物質が出ると聞き、不安。いまは平気でも数十年先に安全と言い切れないのでは?」

近隣住民へ向けた事業内容や環境影響に関する説明会では、参加者がときには声を震わせながら不安の声を上げました。2回開かれた説明会にはいずれも数百人集まるほどの盛況ぶりでした*3。グリーンピーススタッフも、横須賀へ向かいました。グリーンピースからのメールで駆けつけてくださった方、ありがとうございました!

集まった人数が多かったため急遽用意された2つの会場では、参加者はスピーカー越しに顔も見えない事業者とやりとりしました。この事業者の態度は、誠実さに欠けたものだと感じました。参加者からも「失礼だ」「信頼関係も築けない」といった声が寄せられました。

地元では、「横須賀火力発電所建設計画を考える会」が結成され、気候ネットワーク、石炭火力を考える東京湾の会とともに活動しています。ウェブサイトでは、横須賀火力発電所計画をわかりやすく解説したパンフレットや、環境影響評価準備所をわかりやすく解説したパンフレットなども公開されています(イラストや図などや問題点をまとめてくれているので読みやすいです!)。

また、懸念を示しているのは住民だけではありません。神奈川県の黒岩知事も、横須賀の石炭火力発電所建設計画に対し、「強く懸念」していることを表明しています*4。

事業者は、日々影響をうけることになる地元住民の不安の声を真摯に受け止め、石炭のような環境を汚すエネルギーではなく、持続可能で自然エネルギーを増やすための計画を考えるべきではないでしょうか。

東京湾にはほかにも石炭火力発電所の建設計画があります。

石炭火力の問題点や世界の流れに逆行するこの計画をみなさんのまわりにも広めてくれませんか?(下のボタンを押してブログをシェアしてください!)

声を届ける最後のチャンス(3月5日まで)

この計画に反対するためにできることがまだあります!

実はいま、事業者に意見を述べることができる最後のチャンスなんです。3月5日まで住民からの意見を募集しています。あなたが少しでも不安に思うことを直接事業者へ届けてください。事業者は届いた意見書に対して見解を示さなくてはいけない決まりになっています。

 

意見書の郵送先 ※郵送のみで受付

〒 103-6014 東京都中央区日本橋2-7-1 株式会社JERA 発電事業開発本部 発電・エネルギーインフラ部 国内事業推進ユニット宛

提出期限:2018年3月5日(月)(当日消印有効)

問合せ:電話(代表)03-6327-5674 (株)JERA 発電・エネルギーインフラ部国内事業推進ユニット

 

*1: http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/26487/

*2: https://mainichi.jp/articles/20170816/k00/00m/040/154000c

*3: https://www.townnews.co.jp/0501/2018/02/02/418115.html

*4: 環境影響評価法に基づく評価方法書への知事意見のとりまとめhttp://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/files/yokosuka12/hohosyo_chijiiken.pdf

 

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ライター エネルギーチーム 石川

エネルギーチーム 石川

石川せり Seri Ishikawa 
エネルギーチーム 自然エネルギー担当
3.11の経験を通して、人と環境を犠牲にしていたこれまでの生き方に気がつき、命の源である「環境」を守ることをライフワークにすると決心。エネルギーチームの一員として、魅力溢れる自然エネルギーの姿をみなさんにお届けします!

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