国連に原発事故被害者の声を届けようーー国連人権メカニズムと市民関与のタイミング
ENERGY 2018.09.26

国連に原発事故被害者の声を届けようーー国連人権メカニズムと市民関与のタイミング

こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。

9月22日、埼玉県の川越で、第37回国連人権理事会でスピーチをした福島からの母子避難者である森松明希子さんといっしょに、国連で何をしたか、これから何ができるかについて、お話ししました。エッセンスをお伝えします。主催してくださいました「ここカフェ@川越・ぽろろん」「原発避難者と歩む@川越」にあらためてお礼を申し上げます。

70人入るお部屋がいっぱいになりました。たくさんの原発事故被害当事者の方、そして支援者の方がお越しくださいました。

最初に、わたしが国連の人権メカニズムについてお話ししました。

プレゼンテーションの全スライドはこちらからごらんください。

国連に原発事故被害者の声を届けようーー国連人権メカニズムと市民関与のタイミング

市民の関与が肝心ーー国連の人権メカニズム

国連の人権メカニズムというと、遠いところの話ーーのように思えるかもしれません。

けれど、市民が関われるポイントがたくさんあります。

ひとつには人権条約機関。

たとえば、子どもの権利条約など条約が守られているか、監視・公表をしているのが子どもの権利委員会。5年毎に国別の審査があります。市民は、「子どもに対する人権侵害が行われているよ」などの通報を委員会に行うことができます(審査のスケジュールに合わせて〆切などが設けられています)。子どもの権利条約について日本はどれくらい守ることができているのかについて、来年の1月に審査があります。

グリーンピースからは、福島で10月に国際チームを組んで行う放射能調査の結果を踏まえた意見書を国連に提出する予定です。(10月の調査実施のために、クラウドファンディングに挑戦しています。ぜひご支援ください。)

国連に原発事故被害者の声を届けようーー国連人権メカニズムと市民関与のタイミング

特別報告者への申立て

もう一つは、国連の特別報告者への申立て。国連人権理事会では、健康の権利、住居の権利…など56のテーマについて「特別報告者」を任命して人権状況を調査、公表しています。

特別報告者も、報告書を作っています。また、国を訪問して人権状況を直に調査もできます。原発事故被害者の人権状況については、2012年には「健康の権利」の特別報告者アナンド・グローバーさんが日本を訪れ、被害者に直接会って事情説明を受けるなどし、翌年に報告書を出して、人権状況の改善を勧告しています。

グリーンピースでも、福島放射能調査の結果をグローバーさんへ情報提供をしました。

グローバー勧告についてはヒューマンライツナウさんのこちらのサイトをごらんください。

 

文書で申し立てをすることもできますが、このように訪問を受けた際には、実際に会って、実情を訴えることもできます。

申立者が匿名などを希望した場合、秘密は守られます。

 

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原発事故被害者にとっても、自然災害の被災者にとっても重要な「国内避難民の権利」

原発事故被害者にとって大事なのが「国内避難民の権利」です。もちろん、国内で被災を逃れるために移動を余儀なくされた方が対象ですから、原発事故以外にも、自然災害によって避難する方々も対象です。自然災害大国の日本では「いつでも、どこでも、誰でも、何度でも」(森松さん)被災者になりえますから、ここに住まうすべての住民にとって大事と言えます。その国内避難民についても、特別報告者がいます。

グリーンピースでは、福島放射能調査の結果をグローバーさんへ情報提供をしました。

 

 

国連に原発事故被害者の声を届けようーー国連人権メカニズムと市民関与のタイミング

普遍的・定期的レビュー UPR 

もうひとつは、人権理事会加盟国同士でお互いの国の人権状況を審査する「普遍的・定期的レビュー」(UPR)です。日本の審査は2017年に行われ、217もの勧告が出ています。こちらも、市民社会が意見書を提出することができます。次回は4年後。その間、日本が勧告を守っているか、新たな人権侵害が行われていないかなどを市民社会がしっかり監視する必要があります。

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福島のお母さんとグリーンピースの国連への道のり

グリーンピースは、国連の人権メカニズムに市民社会の声を届けています。

2017年には3月にUPRについて意見書を提出したほか、国連人権理事会加盟国や国連人権機関への情報提供、10月にはUPR事前セッションに、福島から避難しているお母さんとジュネーブを訪問し、直接被害者の声を国連人権理事会加盟国、国連人権機関、特別報告者に届けました。

11月のUPR作業部会で福島原発事故被害者の人権状況改善を求める勧告がだされると、その勧告を受け入れるように日本政府に求める署名を開始、日本政府に複数回に渡り提出、2018年3月の国連人権理事会開催直前に21,683筆となった署名の最終提出をしました。

そして3月19日、国連人権理事会の場で福島原発事故被害者、母子避難中の森松明希子さんが演説を行いました。

わたしも演説を行い、福島での放射能調査を行った経験を話しました。

森松明希子さんの演説はこちらの動画をぜひごらんください。

わたしと森松さんの国連人権理事会参加報告はこちらをごらんください。

グリーンピースでは、2011年3月から始まった東電福島原発事故以降、28回、放射能調査を行っています。

今年も10月中旬から福島県で放射能調査を行います。

8年目の福島調査をクラウドファンディングで支援

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ライター エネルギーチーム 鈴木

エネルギーチーム 鈴木

鈴木かずえ Kazue Suzuki
エネルギーキャンペーナー
趣味:カヌーイング、と言いたい!川遊びが好きです。
あと、有権者として、選挙には積極的に関わっています。
当選してほしい人の応援に、自分の選挙区かどうかにかかわらず、関わっています。

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