私たちの声が自然エネルギー社会をつくる
ENERGY 2018.06.01

私たちの声が自然エネルギー社会をつくる

こんにちは。エネルギー担当の石川です。

ゴールデンウィークも終わり、季節の変わり目で疲れていませんか? そんなあなたに、ぜひ見てもらいたいのが喜ぶヤマネの姿!この姿がいつまでも見られるよう、地球を守るためにできることをしていきたいと思います。

出典:The Guardian (疲れた時にちょこっと覗くと元気が出ます)

さて今日の本題は、民意の反映されていない『エネルギー基本計画』とパブコメについてのお話です。私は5月23日、衆議院会館で開かれた『エネルギー基本計画』への署名提出に参加してきました。

未来の日本のエネルギーのゆくえを決めるのが「エネルギー基本計画」。・・・堅苦しい話ですか?  その気持ち、分かります。でも、少し我慢して読んでもらいたいのです。なぜなら、これは私たちの未来の話、気候変動と民主主義の話でもあるからです。

自然エネルギー社会を求める市民の声、12万筆以上!

『エネルギー基本計画』は、これからの社会に必要なエネルギーを何(石炭?原発?それとも自然エネルギー?)で、どうやってまかなうのか、たとえば自然エネルギー、原発、石炭をそれぞれどれくらい?、という方針を決める計画です。

エネルギー基本計画に対する市民の声を幅広く集めるパブコメ募集に先立ち、原発も石炭も使わない、自然エネルギー社会を目指していくことを求める市民の署名を、経産省と内閣府に提出しました(呼びかけは、グリーンピースも参加しているeシフト、首都圏反原発連合など複数の団体)。その数、なんと12万筆以上

当日の集会には100人以上の参加者と各メディア、野党議員などが集まりました。また、報道によれば、前回のパブコメは約1万7000件集まり、94%を超える人が脱原発を求める声だったことが情報公開請求で判明しました*1。

疑問と矛盾のエネルギー計画

当日は、映画「日本と再生」の監督でもある弁護士の河合弘之さん、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の辰巳菊子さん、東北大学教授の明日香壽川さん、原子力資料情報室の伴英幸さんによる短いお話もありました。

事故が起きてから自然エネ転換では遅すぎる

まずはじめにマイクを握ったのは、河合弁護士。自然エネルギーは、経済競争力のある現実的なエネルギー源となった(原発は約10円以上/kwhなのに対し、自然エネルギーは最安値で約2円/kwh)ことに触れ、「浜岡原発や東海原発の事故が起きれば首都圏は全滅。そうなってから自然エネルギーに転換するのでは遅すぎる。」と話し、政策転換の緊急性を訴えました。

エネルギーって安ければいいの?

続いては、エネルギー基本計画の見直し議論に消費者側の委員として参加していた辰巳さん。経産省に届いた意見の多くが自然エネルギーを求める声だったにも関わらず、エネルギー基本計画ではその国民の声が反映されていないことを指摘。また、消費者に対して、食や製品の安全性は気にかけるのに、「エネルギーだけはなぜ安ければいい、安定して使えればいい、となってしまうのか? 」と疑問を投げかけ、消費者にも自然エネルギーを求める意思表示(自然エネルギーを積極的に供給する電力会社に切り替える*2など)をする必要がある、とお話しされました。

世界と比べた日本の姿=低い目標+原子力は「温暖化対策」

温暖化にまつわる研究をされている明日香さんは、世界から見ても不思議な日本のエネルギー政策について解説。日本の22%〜24%という自然エネルギー導入目標は欧州各国と比べても低い(下図参照)ことに加え、温暖化対策として「原子力」を利用している国は世界的に見ても圧倒的に少ない(パリ協定提出文書では、ベラルーシ、中国、インド、日本、トルコ、アラブ首長国連邦の6カ国のみ)、つまり先進諸国の中で「原子力は温暖化対策」と位置付けている国は日本のみなのです。

(グリーンピース追記:なお、原発はいつ事故を起こして止まるかもしれないなど、有効な温暖化対策にはなり得ません)

出典:ISEPより *3

パブコメは出せば必ず読まれている

最後は、長年にわたり原子力の真実を暴き続けてきた伴さんから。

原子力の部分だけ見れば、「前回2010年の『エネルギー基本計画』と比べて、項目、章立てがすべて同じであり、ある節はそっくりそのままである」と、東電原発事故後から変化が見られない日本の原子力政策について批判しました。また、「パブコメはどんなに数が多くても、経産省の担当部署に読まれている。パブコメを多く出して、情報公開請求で国民に中身を明らかにしていくことが大事。」と、パブコメの重要さを強調しました。

ほかにも、計画に隠されている矛盾について指摘がありました。たとえば、計画内では「脱炭素化」を目指すとしながら、石炭を重要な電源と位置づけたり、「原子力の依存度を可能な限り低減する」と書きながら、核燃料サイクルを推進するなど、いまだに石炭と原子力を重要視し、野心的な自然エネルギー目標を示していません。

世界は自然エネルギーへ転換、日本は原発再稼働・石炭増設へ逆戻り

応援に来ていた野党の議員数名からは、以下のような意見がでました。

  • 世界のエネルギーシフトには、地域が大きな役割を果たしている。自然エネルギーは、地域の過疎化をふせぐだけでなく、活性化にもつながっている。エネルギーは社会のあり方、経済のあり方にも影響する。
  • 原発比率を20〜24%にする根拠を世耕大臣に聞くと、「稼働率を80%とし、40年の原子炉すべてを稼働させ、40年以上の原子炉(柏崎刈羽、福島第二原発も含む)も稼働して達成可能」との答えが返ってきた。再稼働ありきで進めるという方向がはっきりした。
  • 原発を求めない政治が国民の勢力を得るような選挙結果を生み出すように頑張らないといけない。運動も選挙も強い市民運動になってもらいたい。

パブコメをだそう【6月17日締切】

これだけ多くの国民が自然エネルギーを求めているのに、その民意が反映されないエネルギー基本計画で、私たちの未来が決められてしまっては困る!  だからこそ、パブコメに「原発も石炭もない、自然エネルギーにあふれた社会」を求める意思表示をすることに大きな意味がある、と私は強く思いました。過去には、たくさん寄せられた原発ゼロを求めるパブコメによって、計画の閣議決定を止めたこともありました*4。

パブコメの出し方は3通り

下の方にある「意見提出フォーム へ」ボタンをクリックして、フォームにご記入ください。2000文字まで、となっていますが何通でも出せますので、字数を気にせず、提出してください。

〒100-8931 東京都千代田区霞が関 1-3-1 資源エネルギー庁長官官房総務課 パブリックコメント受付担当宛

【締切】 2018年6月17日(日)(日付が変わる夜中の12時より前に出してください)

パブコメを提出する >

みなさんは、どんな未来を描いていますか? エネルギー基本計画は、遠いエネルギーの話ではなく、私たちの未来の話でもあると冒頭に書きました。私は、自然環境や人を犠牲にする原発や石炭のない未来、つまり自然エネルギー100%社会をつくるために、パブコメを出しました。みなさんも、それぞれの描く未来への思いを届けてくれませんか? 市民の声が社会をつくるんだ、という気持ちで一言でも二言でも提出し、民意を明らかにし続けることが大切だと思っています。

当日は、菅直人元首相も応援に駆けつけました!

パブコメページから『エネルギー基本計画(案)』を読むことができます。

*エネルギー基本計画では、2050年の日本の姿を「予測が難しい」として、具体的な数値目標を示していません。自然エネルギー100%を達成したアップルやRE100に加盟している企業なども、まずは具体的な目標値を設定し、それに向けて創造力をはたらかせ、本気で気候変動問題に取り組んでいます。

パブコメを提出する >

*1: http://webronza.asahi.com/business/articles/2014111100004.html
*2: 電力会社を切り替える際は、パワーシフトキャンペーンをご参考にして下さい。独自の判断基準で選ばれた、自然エネを推進する電力会社が載っています(グリーンピースはパワーシフキャンペーンの運営団体です)
*3: https://www.isep.or.jp/archives/library/7878
*4: ブログ『あなたのパブコメが、原発推進計画閣議決定を止めました。』

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エネルギー担当 石川

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ライター エネルギーチーム 石川

エネルギーチーム 石川

石川せり Seri Ishikawa 
エネルギーチーム 自然エネルギー担当
3.11の経験を通して、人と環境を犠牲にしていたこれまでの生き方に気がつき、命の源である「環境」を守ることをライフワークにすると決心。エネルギーチームの一員として、魅力溢れる自然エネルギーの姿をみなさんにお届けします!

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